点灯夫のように生きよう 〜 外資系コンサルタントの小さなつぶやき

点灯夫のように生きよう 〜 外資系コンサルタントの小さなつぶやき

とある外資系コンサルティングファームで働いているアラサーのつぶやきです

新卒でコンサルティングファームに入るべきではない人

毎年新卒でコンサルティングファームの門を叩く人はたくさんいます。

高給・ステータス・やりがい・成長できる環境・経営視点・様々な業種業界のクライアント。こういったものに多くの高学歴の新卒が集まってくるのでしょう。

新卒入社してきた人の中には天職のようにフィットしてどんどんプロモーションしていく人もいれば、数ヶ月〜数年で辞めていく人もいます。

個人的には後者の人たちはもったいないなと思いますので(なお後述しますが会社はそれをよしとしている傾向にあります)、新卒でコンサルティングファームに入るべきではない人はどんな人か、僕なりの考えをお伝えします。

 

優秀なだけの真面目ちゃんにはしんどい職場

結論から述べますと、積極性の弱い人、自分で成長機会を見つけられない人コンサルティングファームに入らない方がご自身のためかと思います。僕はそういう人を「優秀なだけの真面目ちゃん」と呼んでいます。

もちろん積極性や自ら成長機会を見つけるスキルは働きながら身につけていくことはできます。しかしコンサルティングファームにおいては、そのようなスキルを身につけるのは難しいというのが僕なりの持論です。

なぜならば、従順な人はそれはそれで重宝がられるからです。面接を突破してきていますので、優秀であることは間違いありません。作業をお願いすれば一定の品質でまとめてくれる。会社としては便利ですよね?でも従順だけの人は、会社に使われて終わってしまいます。会社や上司は便利な作業者にはどんどんタスクを割り振っていきます。ただただ細かく細分化された仕事が与えられるだけ。そういう状況だとどうしても成長曲線も鈍り、次のチャンスをつかめずにまた細かいタスクが割り振られるという悪循環に陥ってしまいます。

 

ではどうしてそうなってしまうのでしょうか?

その理由を少し深掘りしていきます。

 

会社はあなたの成長にコミットしてくれない

公式には、どこのファームも「人を大事にする」「人が資産」などと謳っていると思います。それはそれで間違いないです。コンサルティングファームの商品はそこで働く人ですから。でも会社にとって大事な人、資産となる人は、会社のエースと言える人のことです。そしてエースは、外から買うか、中から勝手に育つのを待つというのが多くのファームのスタンスではないでしょうか。

 

コンサルティングファームは狭き門と言われつつも、クライアント企業の景気の良さを背景に、なんだかんだどこも積極採用。ファームによっては新卒含めて大量採用しているところもありますね。

一方で、コンサルティングファームは離職者が多いこともまた事実。

大量採用に、大量に離職している。例えるならば、お風呂の蛇口を全開にひねっておきながら、栓を抜いてどんどん排水も行なっているという状態です。

 

採用にもコストがかかりますが、それでもどこの会社も大量採用・大量離職を是としているということは、中で人を育てて定着率を高めるためのコストよりも、たくさん採用してその中で使える人にだけ生き残ってもらうほうが経済的、と考えていることの証左ではないでしょうか。

 

先輩社員にあなたを教育する強いインセンティブは無い

恒久的な部や課で仕事を行う会社(大半の会社がそうですよね)であれば、3~5年目ぐらいの先輩社員が新人や若手にメンターとして付いていろいろ教えてあげるというのが一般的だと思います。

対してコンサルティングの現場では、プロジェクト単位でチームが編成されます。
プロジェクトマネージャーが業種業界に詳しい人やソリューションに詳しい人を軸に人を集め、実作業者としてそこに若手が加えられるという構造です。

そういう形態ですので、プロジェクト内では一期一会の出会いとなることも珍しくありません。そのような場合、若手の上につく先輩社員にとって、若手を教育する必要性も必然性もありません。教育はコストがかかる割にリターンは先ですので、プロジェクト内で回収することが難しいですから。

中には新しい新人(アナリスト)の配属を「アナリストガチャ」と言う人もいるぐらいです。当たりがきたらラッキー、はずれの場合ははずれでもできる仕事を割り振る、というスタンスですね。

 

自分のやりたい仕事は自分で見つけなければならない

プロジェクトへのアサインメント方法はファームによって大きく異なるとは思いますが、会社経営という視点で考えると、いちいち個々人の希望を聞いているよりも「人手が足りない」「収益性の高い」プロジェクトに若手をどんどん投入する方が合理的です。するとどうなるかというと、自分で社内で知り合い/関係性を作り引っ張ってくれる人を探しにいかないと、会社にとって都合の良いプロジェクトばかりに入れられてしまいます。なので待っているだけでは、自分がやりたい仕事になかなか関与できません。

一方で、コンサルタントは客先に常駐するケースが多く、人によっては自社のオフィスにまったくと言っていいほど立ち寄りません。仕事もプロジェクト単位なので、他のプロジェクトやチームの話はあまり入ってきません。 そのため、上記で記載した自分を引っ張ってくれる知り合いやマネージャーは待っているだけではそもそも遭遇することすらできない、というのが現状です。

 

結局はプロフェッショナルの素地があるかどうか

まず誤解無きようにしていただきたいのが、コンサルタントこそが優れている、という訳ではないということです。ただ向き・不向きの問題です。コンサルティングファームが、ゆっくりと人を育ててくれる会社や、社員同士の絆が強くその中で自然と学んでいけるような職場の極致にある、それだけの話です。もちろんコンサルティングファームファームでは輝けるけどそういう会社には馴染めない、という人もいます。

結局のところ、どれだけ働き方改革が進んでもコンサルティングファームはプロフェッショナル集団だということでしょうか。職人気質の人の集まりで、自分にあう師匠を見つけ、技を盗みながら、自らの成長責任を自ら負って、勝ち残っていかなければいけない環境だということです。

 

問題は、特に得られる情報が限られる新卒の人はなかなか入社前にそのことに気づけないということと、会社も会社で、従順な学生も作業者としては使えるので採用しているという現状だと僕は思います。

 

中途採用の方も含めてですが、コンサルティングファームを目指している方はまずコンサルタントとは、プロフェッショナルとは何かをよく考えてからアプライすることをお勧めします。

 

以下、参考までに過去の投稿を紹介して終わりにします。

lightingup.hatenablog.com

lightingup.hatenablog.com

lightingup.hatenablog.com

 

ではでは。