点灯夫のように生きよう 〜 外資系コンサルタントの小さなつぶやき

点灯夫のように生きよう 〜 外資系コンサルタントの小さなつぶやき

とある外資系コンサルティングファームで働いているアラサーのつぶやきです

新人コンサルタントに期待すること、期待したいこと

コンサルティングファームももちろん新卒採用を行なっています。
今年の4月入社の新人も今まさに研修中で、GW空けてもう少ししたら現場に投入されると思います。

といわけで、今回は新人コンサルタントを直で指導・教育する現場コンサルタント目線で、新人コンサルタントに期待することと本当は期待したいことを書いてみます。

 

新人コンサルタントに期待すること

1聞いて10を知るという言葉もありますが、新人コンサルタント(タイトルとしてはアソシエイトやアナリストと呼ばれることが一般的です)には少なくとも「2を聞いて8まで仕上げる」ことを期待します
もちろん途中での相談は全然OK、むしろ必須。資料作成でもリサーチでもデータ整理でもなんであれ、上位者のレビューを受けながら、整えられたストーリーに則ってある程度の完成度で成果物を仕上げることが新人には期待されます
 

新人コンサルタントに期待「したい」こと

その2から8ができれば新人としては充分。ですがこれはあくまで「作業者」として充分ということ
欲を言えば、次の2つを本当は期待したいです。
  • 自ら考えて0から1を考え出すこと
  • クライアント視点で自身のタスクを10まで仕上げること
 
2から8同様に上位者のレビューを受けながら、自力で必要な仕事を考え出してクライアントに持っていくことができる成果物を作り出せるようになればコンサルタントとして一人前ですし、逆に言うとアソシエイト/アナリストはそれができるようにならないとコンサルタントにプロモーション厳しいと思います。
 

「使われるだけ」で終わってしまう人にならないために

ファームにもよると思うのでこの見解が絶対ではないですか、口を開けて待っているだけの人はコンサルティングファームでは成長できません

先日別の投稿でも書きましたが、コンサルティングサービスというものはクライアントの個別具体的な課題解決を請け負うという仕事内容の性質上、案件ベースで人が集まりチームが作られます。

lightingup.hatenablog.com

一期一会の出会いであることも珍しくない環境で、新人や経験の浅いコンサルタントが配属された場合、どういう扱いを受けるでしょうか?

上につく人の性質にもよりますが、短期プロジェクトかつドライな先輩コンサルでしたら、熱心な新人教育は行わず、その新人が「できる」タスクしか割り振らないでしょう。教育にもコストがかかりますし、継続的な付き合いのないスタッフを鍛えるインセンティブは湧きにくいですからね。

(※この先輩コンサルタントの話はあくまで一例で個人差は大きいと思います!)

タスクをただこなすだけの人で終わってしまわないためには、上から割り振られる仕事を待つだけでなく、自ら積極的にすべきことを考えること、つまり0から1を作り出すことが求められます。

  

何をもって10とするか

これは実は厄介な問題です。

8まで仕上げれば充分と書きましたが、新人目線では自分の仕事の出来栄えに対して8のつもりはなく、10まで仕上げたつもりであることがとても多い

彼らも手を抜いているわけでもサボっているわけでもなく、彼らなりに精一杯やった結果が8であり、さらにはそれを10であると錯覚しているケースまであります

 しかし、クライアントに持っていくことがでこる水準から見ると、10には達していない。ひどい場合では、8どころか6とか5であるケースもあります。

 

取り組みの難しい「どこまでやるべきか」という問題

このギャップは大きな問題です。なぜなら、シンプルなできる/できない論ではなく、どこまだできるかという「深さ」の観点が必要になるため、当人が自分で気づくことが難しいからです。

 

例えば前回の投稿のロジカルシンキングですが、単にやるだけなら恐らく誰でもできます。

lightingup.hatenablog.com

大切なことは、そのスキルを「いつ如何なる時にでも発揮する」であったり、「意味のある結論を導き出せるまで突き詰める」であってり、「とことんこだわる」などといった、これはできる/できない、やった/やっていないという All or Nothing とは違う観点で物事を推し量ることなのです。

 

当事者意識を育てよう!

この問題にはどう対処すべきなのですかね。下位スタッフの教育の面と、自身の仕事に対しての両方で、僕自身も悩んでいます。
難しくしている原因は、自分の視点だけだと答えに行き着かないからなのですね。クライアントの視点や、上位者の視点で物事を眺めて初めて自分の仕事の至らなさに気づくものですから

 

この問題に対するヒントは、目の前の仕事に真摯に取り組み、考え続けるしかない、と今の僕は考えています。

そしてそのために必要なことは、自分の仕事を「最後までやりきるんだ」という強い意思のもと完遂を目指す当事者意識ではないかと考えています。