結論から述べることは難しいことなのか
「ビジネスでは結論から話すべき」
いろいろなところで聞く論調ですね。もちろん時にはウェットに話すことが求められるケースもあるかと思いますが、基本的には結論から話すべきでしょう。
でも必要性がいたるところで叫ばれているということは、結論から話すことができていない人がたくさんいるということの裏返しではないでしょうか。
実は若手や新人中心ではありますが、コンサルティングファームにも結論から話せない人が稀にいるものです。なおコンサルティングファームはそういう人には厳しいので上から指導されたりするわけですが、僕が面倒みている若手スタッフもまだ詳細から話したがる人がいまして、そういう時は「それは相談なの?質問なの?ただの呟きなの?」と弄りながら教育しています。
ということで、今回は結論から話すことがどうして難しいのかを、ちょっと考えてみたいと思います。
なぜ結論から話すことができないのか
いくつか原因があると思います。そもそも必要性を感じていない、自分ではできているつもり(だけど実際はできていない)、そして必要性は感じているも実践できていない、こんなところでしょうか。
1. そもそも必要性を感じていない
少数かもしれませんが、まず必要性を感じていない人もいるでしょう。
こういう人たちには、マインドチェンジが求められます。例えば「話の長い(往々にして嫌な)上司」などを思い浮かべてもらうなど、人の振り見て我が振り直せのスタンスで臨まないと変化はなさそうです。
2. 自分では出来ているつもり
次は、自分ではできていると思っている人。これはタチが悪い。
もっとも「結論から話す」は難しいスキルでもなく、また周囲からの指摘や検証も容易ですが、一方でその手の指摘を行うことはあまりないでしょう。だからこそ問題を認識できず、改善に繋がらない。
こういうケースは、本人のためにも周囲のためにもならないので、もしそういう人が周囲にいたらぜひ指摘してあげましょう。
3. 必要性は感じているも実践できない
さて、それ以外は必要性は感じつつも出来ていない人。こういう人が大半でしょう。
まずはスキルの問題。でも結論から話すだけなので実はとっても簡単。でもできない。なので主な原因はそこではない。
実際の原因は気持ちの問題ではないかと、思います。
例えば、
- 自分の意見に自信がない
- 自分の意見が整理できていない
- そもそも自分の意見がないので結論から話すことができない
また亜種として、
- 背景や理由から順を追ってちゃんと説明する方が分かってもらいやすいと本当は思っている
- 自分の意見をはっきり伝えたくない
というところでしょうか。
結論が言いにくいのであれば「テーマ」と「目的」を言おう!
なかなか意見が言えない、という人は、まずテーマと目的を話すだけでもいいと思います。
「XXXの件について、YYYです」
例えば「来期の予算についての質問です」「プロジェクトの進め方について相談があります」「部長へのプレゼンについてブレストさせてください」「明日の発表ですが、追加でアイディアがあります」
最初に相手に地図とどこに向かっているかを示すだけで、ぐっとコミュニケーションの質と効率は高まります。
また地図を広げることで、相手からの質問が生まれてきます。
そうすればあとは言葉のキャッチボール。相手が「聞きたいこと」を聞いてきますので、それに答えていけばいい。そうすると自然と「自分の話したいこと」を話すのではなくなりますので、相手により伝わるコミュニケーションになります。
結論から話するのが習慣つかないと言う方は、まずテーマと目的から話すことにチャレンジしてみてください!
ではでは。