点灯夫のように生きよう 〜 外資系コンサルタントの小さなつぶやき

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とある外資系コンサルティングファームで働いているアラサーのつぶやきです

相手が「聞きたい」と思っていることを話すための方法

一昨日に、採用面接を題材に「ビジネスのコミュニケーションにおいては、自分が話したいことではなくて、相手が知りたいことを話すのが大事」と書いたのだが、

lightingup.hatenablog.com

そうしたところ「相手が知りたいことを話せる人は稀有な存在」というコメントをいただいた。

採用面接で面接官は何を見ているのか(1)コミュニケーション力とは? - 点灯夫のように生きよう 〜 外資系コンサルタントの小さなつぶやき

いやー、ビジネスの場においても相手が聞きたいことを話せる人ってのは稀有な存在。

2019/07/05 01:07

b.hatena.ne.jp

そのような指摘を頂戴し、確かにそうかもしれないと痛感したとともに、一方で、ある程度は方法論もあるのではないかとも思い、考えてみたのでその結果をとりまとめてみる。

また採用面接の文脈であったので、面接時に取り組むべきことも合わせて考えを書いていこうと思う。

 

事前の準備が一番大事

端的に言えば「相手がなにを知りたがっているか」が事前に分かっていれば、面接だろうが商談だろうが打ち合わせだろうが、はたまた恋愛だって、勝率はぐっと高まる。事前の準備が一番大事なのである。

 

さてその事前準備だが、1番良い方法は、身もふたもないが誰かに教えてもらうこと。ただしそれを知っている人なんてなかなかいないし、いたとしても教えてくれるかどうか分からない。またその人が知っていることが本当のことかどうかも分からない。

余談だが、私は客先で常駐して作業を行う際は、情報収拾のため周囲の噂話に対して聞き耳をたてている。

lightingup.hatenablog.com

 

ただし実際に人から聞くのは難しいことが多いため、多くの場合では、相手がなにを知りたがっているかをあらかじめ考えておくことが有効な手立てである。コンサルタントらしく言えば、仮説立案だ。相手の状況を考えて、あらかじめ相手がなにを知りたがっているのかを想定しておくのだ。

営業や提案であれば、ベースとなるのは相手の課題をあらかじめ考えておくことだろう。選考の面接であれば、その会社はどういうビジネスを行なっていて、どういう社風で、だからこそどういう人を求めているいのか、だろう。

 

なおそのような求める人物像は、会社の採用ページや求人票に書いてあることが多い。したがって一義的にはその情報だけで十分ではあるが、大抵の場合は「どこの企業でも書かれている一般的な情報」であることが多い。そのような情報だけだと、他の候補者と差別化を生み出すのは難しい。であるので、求人票に書かれている求める人物像だけでなく、自らその会社がどういう人物を求めているのかを、仮説を立てて考えることが他の候補者の一歩先を行くために必要なアクションである。

 

仮説は検証することで確からしさが高まる

せっかくの仮説であるので、可能であればそれを検証しよう。

採用面接であれば、その際に活用できるのがOBOG訪問だ。社員さんにインタビューをできる機会を逃す手はない。社員さんに自らの仮説をぶつけてみて、仮説の確からしさ確認するのだ。

時には外すこともあると思うが、それで構わない。外れていた場合は、どうして外れていたのかを確認し、そのインプットをもとに自身の仮説を検証していけばよいのである。

因みに、これまである程度の人数のOB訪問に対応してきたが、OB訪問を自身の仮説検証のために使おうという気概のある学生さんはほんの数名したいなかった。コンサルタントを目指している学生さんであるにも関わらずだ。これはとても悲しいことである。

もし
「私はコンサルティング業界とは○○を行なっているので、△△が大事だと考えているのですが、そのことがわかる具体的なエピソードはありますか?」
「御社の特徴は○○だと思い、△△であることが求められるのではないかと考えているのですが、実際どういう社員さんが多いですか?」
などの形で、自身の仮説をベースに質問をしてくる学生さんがいれば、それだけで人事に「この人は有望だから逃すな」と推薦するであろう。

 

仮説に基づき「相手が何を質問してくるか」を考えよう

さて、仮説の立案はできた。何らかの方法で検証もでき、どうやら確からしいということも分かってきた、とする。

そうなれば、次はその仮説に基づいてどう説明するかを多くの人が考えるであろう。採用面接でいえば、HPに書かれていること以上に具体的な求める人物像が明らかになったので、その人物像に自分がどれだけマッチしてるかの説明を考えるだろう。

 

だが待って欲しい。

 

それはあくまで「自分がいいたいこと」に過ぎない

 

何を話すかを考える前に、いったんクッションを挟もう。

採用面接であれば、面接官が知りたいことは「候補者が自社の求める人物像とマッチしているかどうか」である。

であれば、面接官は何をどのように聞いてくるのであろうか?

この思考を挟んでから、それに対してどう答えるのがよいのかを考えるだけで、面接での受け答えの質はひとまわりもふた周りも増すはずである。なぜならば、それは自分視点で考えた自分が話したいことではなく、相手目線で考えた相手が聞きたいことへの回答だからである。

 

まとめ

ということで、まとめると以下のステップになる。

  1. 情報を収集し、相手が何を知りたがっているのか、仮説を立てる
  2. 人に聞くなどして自身の仮説を検証し、仮説をブラッシュアップする
  3. 仮説に基づき相手が抱くであろう質問を考え、その質問への回答を用意する

これができれば、あなたはコミュニケーションの達人である。

 

まあ、言うは易く行うは難しなんですけどね。

でもトライうる価値はあると思うので、興味持たれ方がいましたらぜひ試してみてください&何か疑問質問あればさらに思考深めるのでコメントください。

 

ではでは。