点灯夫のように生きよう 〜 外資系コンサルタントの小さなつぶやき

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とある外資系コンサルティングファームで働いているアラサーのつぶやきです

採用面接で面接官は何を見ているのか(1)コミュニケーション力とは?

多少のズレはあると思うが、21年卒大学生/大学院生向けのマーインターンのエントリーや選考が始まったのではないだろうか。
ちなみに一番若い大学3年生は1998年生まれ!信じられない!

私は新卒コンサルではないので各社の新卒採用フローをよく知らないのだが、多くのコンサルティングファームはサマーインターンで一定数の内定を出すらしい。

コンサル第一志望の人であれば、早くも学部3年生/修士1年生の夏に就職先が決まり、就活終了となるわけである。

 

さて、私の所属するファームでは新卒採用の一次面接の面接官はシニアなコンサルタントとシニア手前のコンサルタントで行っており、私も人事から依頼を受ける場合がある。今シーズンも来週に半日面接官として拘束される予定だ。

 

さて、面接官を経験するというのもなかなか多くの気づきがあって面白い。

私のファームでは一次面接ではケースは行わず、10分~15分程度の短時間で人となりをチェックしている。面接を受けていた際は「15分で何が分かるのか」と思っていたし、そのため面接官を担当するまでは15分は短いと思っていたのだが、実際に担当してみると、一次面接としての判断であれば10分でも長いぐらいだと考え直すようになった。

 

短時間で何を見ているのか

具体的な評価軸を書くと、さすがにバレたとき問題になるので、一般論や個人の主観を交えながら。

まず新卒の面接で何を見るのかというと、一般的にはソフトスキル+業界ごとの重視したい特性+フィット感であろう。

ソフトスキルとは、代表的なものでありかつ大きな要素を占めるものであれば、コミュニケーションスキル・対人スキル。あとは会社により重みづけは異なると思うが、代表的なものは粘り強さや素直さ、牽引力や強調性、精神的なタフネスさなどであろうか。業界ごとの特性は、コンサルティング業界であれば当然のことながら論理的思考力*1だ。

面接官は、これらの要素に対して受験者が合格基準を満たしているかどうかを、面接を通じて見極めることになる。
※なお、個人的な意見にはなるが、新卒でコンサルティングファームに入るのに向いていない人に関して以前投稿した記事があるので、良ければ合わせてご覧ください

lightingup.hatenablog.com

 

さてそのうえで、一次面接ではどこを見るのか。

特に新卒採用という文脈では、候補者も多くなるわけなので、多くの会社(特に応募する学生の多い会社)においては内定に至らなそうな人を落とす足切りという要素が強くなるのではないかと考える。その場合、面接時間が短時間だということも理解できる。候補者が多いので1人1人に時間をかけることが不可能だからだ。

では短時間でどういう要素を見るべきかと言うと、専門性や業界ごとに重視する特性は短時間で図るのは難しく、適切ではないだろう。となると、どうしてもコミュニケーション力を中心としたソフトスキルの要素が大きくなる

 

面接におけるコミュニケーション力とは

コミュニケーション力という言葉、誰しも当たり前のように使っているが、これは一種の思考停止のワードではないかと思う。コミュニケーション力の定義は、人皆それぞれ別々だろうし、さらに言えば、成功している人はコミュニケーション力が高い、そうでない人はコミュニケーション力が低い、といった具合に、結果論で語ってしまってはいないだろうか。

 

なので、このコミュニケーション力をちゃんと考えてみよう。

なかなか定義が難しく漠然としているコミュニケーション力だが、面接試験においては、なにも「流暢に話す」ことがコミュニケーション力の高さではない。また学生さんだと「コミュニケーション」=「話がうまいこと」というイメージを持っているかもしれないが、それも一面しか見ていないことによる結論だ。

 

コミュニケーションとは言葉のキャッチボールである。双方が適切な意思疎通を行うための手段がコミュニケーションであるわけで、もちろん話がうまいに超したことはないが、一般的なビジネスマンであれば高度なトーク術は不要であり、相手の状況と自分の状況を適切に捉え、円滑な会話を実現できることが、ビジネスマンにもとめられるコミュニケーション力だと考える。

 

そしてそれは、面接で意外とよく測ることができる。

例えば10分~15分枠の面接で「簡単に自己紹介してください」と言われたにも関わらず5分も10分も、相手の顔色を見ずに用意してきた言葉を話続けるのは、それだけでNGだろう。

 

またこれも用意してきたことや、自分の話したいことを話そうとしているのかもしれないが、質問に対して適切に答えられないケースが非常に多い。 

私は一人で勝手に「ラーメン・カレー議論」と呼んでいて、OB訪問などで学生さんと話す機会があると必ず伝えるのだが、例えば友達数人で集まっている際に、「何味のラーメンが好きか」という話をしていたとする。醤油ラーメンだサッポロのみそラーメンだ豚骨だ、いやいや家系だという話をしていた時に、一人「ボンディのカレー」という人がいたとする。
確かにボンディのカレーは美味しいが、その人の発言は間違っているよね?そもそも料理のジャンルが違うし。さらに言うと、片方は味付けの話をしていたのにお店の名前を出すのも、粒度感が異なる

欧風カレー ボンディ 神保町本店

食べログ 欧風カレー ボンディ 神保町本店

この例え話、ばかにするかもしれないが、身の回り会話を思い浮かべてみると、意外にこのようなケース多いのではないだろうか?友達通しの他愛のない話であれば何も問題ないが、ビジネスの場では不適切なコミュニケーションであり、このような会話をしてしまう人が、コミュニケーション力が低い人なのである。

 

コミュニケーションの神髄 

このように考えると、適切なコミュニケーションには何が必要かが見えてくるのではないだろうか。

多くの人が、自分が喋りたいことばかりを話して、相手に悪印象や不信感を持たれてしまっている。これは面接だけでなく、ビジネスもだし、恋愛だってそうだ。

必要なことは、相手が何を聞きたいのかを把握し、自分の話したいことではなく、相手が聞きたいことを話すことである。

このことは、これから採用面接を受ける方には是非とも留意してもらいたい。

 

聞かれたことに対して、脊髄反射でしゃべらずに、まず何を聞かれたかを考える。
そして、質問に対して適切に答える。

これさえできれば、コミュニケーションにおいて面接でマイナスになることはないはずだ。緊張などで、多少言葉に詰まったとしても、特に新卒なら問題はない。それよりもペラペラと聞かれていないことを話す方が大問題だ。

また、もし聞かれていることの意図が分からなければ、相手に聞いてしまうのもいいと思う。1回や2回ぐらいであれば、面接官の心象も損ねないだろうし、積極的にコミュニケーションを取ろうとしてるという風に捉えてもらえる場合もあるだろう。

 

「相手が知りたいことを話せる人は稀有な存在」というコメントをいただいたので、その方法をまとめてみました!

lightingup.hatenablog.com

 

次回予告

ということで、 面接官を担当したことのあるもの目線で、面接時に注意すべきコミュニケーションについて論じてみた。

もう少しまとめたいテーマがあるので、続編も書いてみようと思う。

チラ見せすると、テーマは「効果的な自己PR方法」。キーワードは、定量情報ではなくプロセスを語れ、である。

 

こうご期待!

 

2019/7/7
更新しました!

lightingup.hatenablog.com

 

ではでは。 

*1:ロジカルに関してはこちらをご参照あれ

lightingup.hatenablog.com