点灯夫のように生きよう 〜 外資系コンサルタントの小さなつぶやき

点灯夫のように生きよう 〜 外資系コンサルタントの小さなつぶやき

とある外資系コンサルティングファームで働いているアラサーのつぶやきです

自分の強みを知る方法:ドラッカーのフィードバック分析とストレングスファインダー

これまで行なってきた系統のプロジェクトとまったく異なる性質のプロジェクトにチャレンジすることになり、最近これまで以上に忙しい日々を過ごしてる(そのためブログ更新頻度も著しく低下してしまった)。

だが幸いにも、キャッチアップというか、新しいことを学ぶのは好きであるとともに得意なので、なんとか勘所を掴めてきたところである。

 

そこで、ふと思った。

強みを活かす人生と、弱みを克服する人生、どちらの方が満足のいく人生なのだろうか。

 

基本的には強みを活かすことが大事

一般的には、強みを活かすことが大事だとされているのではないか。ドラッカーも次のように強みを活かすことの重要性を様々な言葉で語っている。

何事かを成し遂げるのは、強みによってである。弱みによって何かを行うことはできない。できないことによって何かを行うことなど、到底できない。

成果をあげるエグゼクティブは、人間の強みを生かす。彼らは弱みを中心に据えてはならないことを知っている。成果を上げるには、利用できるかぎりの強み、すなわち同僚の強み、上司の強み、自分自身の強み、を使わなければならない。強みこそが機会である。強みを生かすことが、組織の特有の目的である

人は強みによって雇われる。弱みによってではない。  

例えば、上記の「新しいことを学ぶのは好き」というのは、明らかに自分の強みだと自分自身で認識している。またチャレンジ精神や積極性、ポジティブな考え方もまた、自分の強みだと思っている。

そういった特性があるので、新しい仕事に対しても臆することなく挑戦ができるのだと理解している。

 

弱みも把握はしておいた方が良い

では弱みはどうすべきなのか。再びドラッカーの言葉を借りると、彼はこのように述べている。

強みのみが成果を生む。弱みはたかだか頭痛を生むくらいのものである。しかも弱みをなくしたからといって何も生まれはしない。弱みをなくすことにエネルギーを注ぐのではなく、強みを生かすことにエネルギーを費やさなくてはならない。

弱みをなくしたからといって何も生まれはしない。これは金言だろう。

限られた人生、自分の凸凹のうち弱みを克服するのにエネルギーを注いでなんになるのか。帰って強みを伸ばすリソースを失い、平均的な平凡な人生になってしまうのではないか。

 

しかし一方で、弱みを理解しておくことは大事であろう。

仕事であれ、地域社会の活動であれ、ボランティアであれ、または家庭の営みでれ、一人で何から何まで行わなければならないというシーンは極めて限られる。そしてその集団に集まる人はそれぞれ異なる性質をもっているわけであり、であるからこそ、互いの強みと弱みを理解し、互いに弱みを補い合い、強みを活かしていくことが重要である。

近年「ダイバーシティ」や「インクルーシブ」という言葉が会社経営の文脈でよく聞かれるようになったが、これは「弱みを補い合い、強みを活かし合う」という人間集団の本質的な営みだと私は理解している。

 

どのようにして自分の強みを知るのか

では、自分の強みはどのように知ればよいのか。

人間、自分の弱み、嫌なところは目がいってしまうが、強みにはなかなか気づかないことがある。これは謙虚な日本人気質も影響しているかもしれないが、個人的には、自分自身の強みは当たり前すぎて気がつかないことが原因ではないかと考えている。

例えば「集中して勉強できるけど、人見知りでなかなか喋れない」という人と「誰とでもすぐに打ち解けられるけど、机の上で長時間何かに集中するのが苦手」という人がいるとする。お互い、得意なことは何も意識せず自然とできていることであるが、自分自身だけで考えると、それが強みだとはなかなか気がつかない。客観的に眺めれば、それぞれの強みがよくわかるのだが・・・。世の中、こういうことは多いのではないだろうか。

 

さてどのように自身の強みを知るかであるが、何度も登場するが、ドラッカーは「成果」に着目することを勧めている

強みはある一点によってのみ測られる。それは成果である。強みはぼんやりとした抽象的なものではなく、成果という具体的なものの中に、その姿を表すものだ。「強み」は成果を通してその姿を表す。

 

いかにもドラッカーらしい、単純明快なメッセージである。繰り返し行い、毎回成果が出たり周囲から評価されるものは、仮に自分ではそうだと思っていないとしても、それは強みだということである。

そしてそのためには、あらかじめどのような成果を得たいか目標を定めておき、のちにそれを振り返る「フィードバック分析」が効果的だともドラッカーは語っている。

強みを知る方法は一つしかない。フィードバック分析である。何かをすることに決めたならば、何を期待するかをただちに書き留めておく。9か月後、1年後に、その期待と実際の結果を照合する。私自身、これを50年続けている。そのたびに驚かされている。

こうすることで、自分自身でも気づかずにいる自身の強みに気づける、、、かもしれない。

 

なおここまでの話は以下の書籍に詳細に書いてあるので、興味のある方はそちらを参照してください。

 

ストレングスファインダーを利用する

ただ、フィードバック分析なんて面倒くさいよ、という人もいるかと思う。

そういう人におすすめなのか、「ストレングスファインダー」という「才能診断」ツールである。Webサイト上で177個(多い!)の質問に答えると、自分の才能(=強みの元)を教えてもらえるという仕組みである。ストレングスファインダーでは34の才能の資質(例えば「責任感」とか「達成欲」とか「調和性」とか)を定義しており、テストの回答によって最も特徴的(優先度の高い思考、感情、行動のパターン)な5つを診断結果として教えてくれる。
(現在では別料金を支払うことで34資質すべての順位を知ることも可能)

受講するには、以下の書籍を購入して、書籍に付いているシリアルコードを診断ページに入力するだけでOKだ。

※シリアルコードは1回だけしか使えず、そのため中古本だと診断テストを受けれれないので注意が必要だ 

さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0
 

またシリアルコードをWeb上で購入することもできるが、解説がちゃんと付いてくる書籍を買う方がおすすめである。

www.gallupstrengthscenter.com

 

 なお私のトップ5は次の通りである。「戦略的思考力」分野が多いのは、コンサルタントとしてちょっと嬉しいところ(才能資質の分野は「戦略的思考力」「実行力」「影響力」「人間関係構築力」の4種類)。

f:id:tokudamakoto:20190811190957p:plain

なおトップ10まで見てみると次のようになっており、


1. 学習欲

2. 達成欲

3. 戦略性

4. 内省

5. 活発性

6. 着想

7. ポジティブ

8. 自己確信

9. 収集心

10. 信念

 

34項目すべて並べた結果は次の通りだ(このマップは書籍を買うだけでなく、追加で費用を支払わないと表示されないので要注意。全部で5,000円ぐらいかかる)。

f:id:tokudamakoto:20190811191408p:plain

このように眺めると、考えることが強みであるがそれだけでなく達成欲も強く、結果を出すためには考えながらすべきことを行えるのが自分の強みだとよく分かる。一方で、慎重さや調和性という要素は欠けるので(自覚あり)、そこに関しては、暴走しすぎないように周囲にブレーキ役がいれくれることが大事だということまで教えてもらえる

 

なお6番の着想は、自分自身ではそれほど強みだとは思っていなかった点であり、まさに本テストによって気づかせて貰えた強みであるし、一方で自分では他者に「共感できる人間だ」と思っていたのだがその要素は28位という低い順位。これは自身の認識と周囲からの思われ方にギャップがある可能性があるため、要注意だ。

 

診断が有料なのと、177問もあるので診断テストを受けるのに30分程度かかるが、それに見合う価値はあると思う。お盆休みで自身を振り返りたいという方には、是非取り組んでみてもらいたい。

 

なお本投稿に興味を持っていただけた方は、きっとこちらの投稿も面白く読んでもらえると思うので是非お目汚しください。

lightingup.hatenablog.com

 

ではでは。