点灯夫のように生きよう 〜 外資系コンサルタントの小さなつぶやき

点灯夫のように生きよう 〜 外資系コンサルタントの小さなつぶやき

とある外資系コンサルティングファームで働いているアラサーのつぶやきです

アラサーですがいまだにセカイ系が好きです

新海誠の天気の子が公開された。たぶん、近々見に行くと思う(ので本投稿は天気の子のネタバレ無しです)。

ただ、ネットで評判を見てみると、つまらないという意見もちらほら。

 

でも数字だけならば、出足は君の名よりも順調のようだ。

初日3日間で『君の名は。』対比128.6%となる16億円超えの興行成績を記録したことが分かった。

www.cinemacafe.net

 

ではなぜ賛否分かれたり、つまらないという意見も多いかというと、きっとセカイ系を嫌いだという人、受け付けないといつ人が一定数いるからかもしれない。

 

セカイ系とは?

オタク用語なのでいらない方も多いと思うが、2000年代に生まれたアニメや漫画、ライトノベルなど業界での用語であり、Wikipediaには次の通り書かれている。

サブカルチャーを論じる評論家として注目を集めていた東浩紀を中心に発刊された『波状言論 美少女ゲームの臨界点』編集部注によればセカイ系とは「主人公(ぼく)とヒロイン(きみ)を中心とした小さな関係性(「きみとぼく」)の問題が、具体的な中間項を挟むことなく、「世界の危機」「この世の終わり」などといった抽象的な大問題に直結する作品群のこと」であり、代表作として新海誠のアニメ『ほしのこえ』、高橋しんのマンガ『最終兵器彼女』、秋山瑞人の小説『イリヤの空、UFOの夏』の3作があげられた。

セカイ系 - Wikipedia

美少女ゲームの臨界点 波状言論 臨時増刊号

美少女ゲームの臨界点 波状言論 臨時増刊号

 

 

小さいコミュニティ内でのボクとキミの出会いや葛藤、恋愛模様、精神的成長がそのまま世界の終わり(あるいは世界の終わりの回避)に繋がる物語をセカイ系と呼ぶ。その元祖は1995年に放送された『新世紀エヴァンゲリオン』だ。

新世紀エヴァンゲリオン(1) (角川コミックス・エース)

新世紀エヴァンゲリオン(1) (角川コミックス・エース)

 

それまでのロボットアニメとは異なり(エヴァは厳密にはロボットではないが)、主人公の心情や葛藤の内面描写がかなりフォーカスされ、結局主人公シンジ君の行動によって世界の全てが決まってしまう、まさにセカイ系である。

他には有名どころであれば、上記Wikipediaにも記載されている『最終兵器彼女』や、京アニがアニメ化もした『涼宮ハルヒの憂鬱』などが有名だ。

最終兵器彼女(1) (ビッグコミックス)
 
涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)

 

 

そして新海誠の前作『君の名は』も、セカイ系にあたる。瀧くんと三葉の入れ替わりが、糸守町を救ったのだから。

 

因みに先週末に、普段はアニメを一切見ない妻への教育のため(?)新海誠の『秒速5センチメートル』と『君の名は』を見せてみた。
秒速5センチメートルは、惹かれ合っていた男女の時間と距離による変化を描いた1時間程度の短編映画で、これはセカイ系ではない恋愛映画)

意外と両方とも楽しみつつも感想は「どっちも中二病だね」だったのだが、妻は秒速5センチメートルの方が気に入ったようだ。君の名は、なぜ2人が入れ替わるのか、なんで時空を超えているのか、どうして糸守町が救われたのか、訳がわからないとのこと。
(なので妻には新海誠の『ほしのこえ』は見せなかった)

秒速5センチメートル [Blu-ray]

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恐らくこれは典型的なセカイ系へのツッコミなのではないか。

最終兵器彼女ではヒロインのちせがなぜ兵器になったのかとか何をしているのかなどは一切説明がないし、涼宮ハルヒだってどうしてハルヒが不思議な力を持っているのかや、どうしてキョンがキスをしたら世界の崩壊が防がれたのかは説明が一切ない。

 

しかしそういった社会関係とのつながりよりも、中二病的かもしれないが、自己投影先である主人公の苦悩や内面の変化が世界を変えていくという爽快感がセカイ系の魅力であり、そこに好き嫌いが発生するのは仕方がないことだと思う。

君の名はが流行った=一般受けした理由は、おそらく映像美や音楽とのマッチ、起承転結がはっきりしていてかつ疾走感のあるストーリー、印象的なハッピーエンドなどの魅力が、セカイ系の人によっては受け入れない指摘点を大きく上回ったからであろう。
(なお秒速5センチメートルを知っている人は、最後の最後まで、滝君と三葉がすれ違って終わるのではないかとハラハラしたと思う)

そう考えると、天気の子が最初の動員数は多いものの評判がイマイチなのは、もしかしたらセカイ系らしいセカイ系なのかもしれない。

 

と、とりとめもなく書いたが、何か言いたいかというと私はかつてセカイ系が大好きで、エヴァは時代が少し違うが高校時代に何度も見たし、ハルヒはまさに高校時代にちょうど全盛期だったので、ドはまりしていた。またその当時ライトノベルにものめりこんでいて、いったいアニメイトにいくら費やしたことか・・・

そして久々に君の名はを見たら、おっさんになってもやっぱりセカイ系はワクワクするなと改めて実感し、近いうちに天気の子も見にいこうと思った次第である。

 

ではでは。