点灯夫のように生きよう 〜 外資系コンサルタントの小さなつぶやき

点灯夫のように生きよう 〜 外資系コンサルタントの小さなつぶやき

とある外資系コンサルティングファームで働いているアラサーのつぶやきです

自己レビューの効果的な方法はいかに良質な Key Question を持てるかどうか

自己レビュー、またの名をセルフレビュー。

 

コンサルタントは作成する資料こそが自分たちの唯一の成果物になるので、厳しいチェックが行われます。そのためいきなり上位者に持っていくとボコボコにされますので、多くの人は自分自身でチェック、つまり自己レビュー/セルフレビューを行います。

程度の差はあれ、このようなことは皆さんも行うことでしょう。仕事で自分作ったものであったり、ブロガーさんでしたら自分の投稿しようとしている内容、学生さんでしたらテスト時の答案、はたまた大上段に構えれば自分自身の人生そのものとか。見直すべきもの、振り返るべきものはたくさんありますね。

 

僕は自己レビューが苦手です

さて、僕自身は自分で作った資料に対するこの自己レビューというものが苦手です。苦手というよりも、あまり好きではない・・・。

自分で考え、考え抜いて自信を持って作成したスライドであればあるほど、間違っているはずはないという自意識のバイアスがかかってしまっているのでしょうか
(ちなみに、そういう人は結構いるのではないかと思っています・・・)

 

思えば、学生時代もテスト答案の見直し行っていなかったですね。。答えが出ずに解き続けることはありましたが、「解けた問題は合っているはず」という考えのもと、またセンター試験でおおむね9割ぐらいの点数を取れるぐらいの学力はあったので実際自分でできたと思った問題が間違っているというケースも少なく、労力に見合わないと判断してテストで解き終わった問題を振り返ることはしていなかったと記憶しています。

 

なぜレビューが必要なのか

でも実際の仕事は、そして特にコンサルティングの現場では、学校のテストのように絶対的な答えがあるわけではありません。また「何が正解か」を決めるのは受け手のクライアントです。例えばこちらが100%正しいことを主張していたとしても、説明方法が悪く伝わらなければ、クライアント視点から見れば間違いとなるわけですから。

また論理的に正しいかどうかは、明らかに間違っているという時以外は、ゼロサムというよりもどれだけ精密かどうか、どれだけ確からしいかどうかということなので、大所高所から見れる人にしてみればブラッシュアップ余地がどんどん見つかるものです。

従いまして、どうしても自分自身では気づけない領域はあるので、上位者レビューはとても大事。でもだからといって自分自身でのレビューを怠っていいわけではなく、プロフェッショナルとしては自身の成果物の品質担保は自分で行うべきこと。そのためには、自己レビューを行って資料を自分でアップデートする必要があるというわけです。

 

ということで、あまり好きではない自己レビューですが、上記背景のもと「やらなあかん」という気持ちをもって日々向き合い取り組んでいます。

 

自分自身への問いを持つことが自己レビューの鍵

しかし嫌々ながらやると、効率も精度も落ちるもの。

例えば「対処すべき課題はAとBとCである」という主張をしたいとき、漫然と自分の思考を辿り直してABCの正しさを再確認するのでは意味がありません。自分は正しいバイアスがかかっているので、一度正しいと思った自分を否定するのが難しいからです。しかもそれが乗り気でなくやっているのであれば、なおさらです。

 

なので、自分の見つけた「答え」からのアプローチは賢くありません。そうではなく、効果的な的なのは、もともとの「問い」に戻ること、そして検証のための「問い」を持つことです

上記例であれば「対処すべき課題は何か」を今一度考え直すであったり、そこから派生して「ABCの他には無いのか」であったり、さらに突っ込んで「ABCの他には無いと言えるのはどうしてか?」などの問いを設定してそれに答えると、よい自己レビューとなるかと思います。
※ちなみにこの「もともとの問いに戻る」というのは、先日投稿した高校時代に偏差値100を超えていた超かしこいボスからのアドバイスです
lightingup.hatenablog.com

 

こういった問いかけは、ともすれば自分自身の行ったことの確認で終わってしまう自己レビューが、より創造的なレビューへの変わるのでとても有効です。

つまり、自分自身への Key Question をいかにストックできるかが、自己レビューと自身の成果物の質を決めると言い換えることができます。

例えば、僕は以下のような問いを自分自身に投げかけています。

  • So what?(だから何?)、Why So?(それはなぜ?) ※これはコンサルタントの基本となる問いかけです
  • 他に言えることはないの?
  • 長期的・多面的・根本的に考えても同じことが言えるか?
  • 資料をはじめて見た人に意図通りに伝わるか?
  • クライアントの◯◯さんはどう思うか?

 

※僕の心の師である安岡正篤先生の教えである長期的・多面的・根本的の思考三原則についてはこちら

lightingup.hatenablog.com

 

もちろん細かい誤字脱字をチェックするとか、フォントの統一とか資料の体裁的な細かいところのチェックもありますが、本筋論として、スライド間のストーリーの流れと、スライド内での伝えたいメッセージの組み立てに関しては、こういた Key Question を自分自身に投げかけることで、より洗練させていくことができると考え、そして日々実践しています。

 

苦手なものに対しては、このように仕組化することが大事ですね。

ではでは。