点灯夫のように生きよう 〜 外資系コンサルタントの小さなつぶやき

点灯夫のように生きよう 〜 外資系コンサルタントの小さなつぶやき

とある外資系コンサルティングファームで働いているアラサーのつぶやきです

フレームワークに利用されるな。フレームワークを利用しろ。

ビジネスフレームワーク。または単にフレームワーク

 

コンサルティング業界に興味のある人でしたら絶対に聞いたことがあるでしょう。

そうでない方でも、本屋で見かけたり、または日常的に職場で耳にすることもあるかもしれません。

Wikiによると「経営戦略や業務改善、問題解決などに役立つ分析ツールや思考の枠組み。MBAなどで教わることが多く、ビジネスに必要とされるロジカルシンキングや発想法などを体系的にまとめたもの。SWOT分析、ファイブフォース分析などが挙げられる」とあります。

 

巷ではどうやらコンサルタントとはフレームワークを武器に課題解決を行なっているものというイメージもあるようで、そのためか昨今では世の中にフレームワークを紹介する記事や書籍が多く出回っていますね。

そういった形で市民権を得てきているフレームワークですが、一方でどれだけちゃんと活用されているのか、ということに疑問を感じたので今回の投稿内容を書いてみました。

 

フレームワークなんて結局は整理するための箱です

身も蓋もないですが、ホント、フレームワークなんてただの箱なんです。

非常に有名で今や意識の高い学生さんがよく言葉にする3Cだろうが4Pだろうが、GEの成長を支えたボスコンが生み出したPPMだろうが。数年前に流行ったビジネスモデルキャンバスだろうが。

ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書

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陥りがちな罠:当てはめてそれで終わり

例えば「3Cを用いて分析してみよう!」だったり「SWOTで整理してみよう!」と考え、それぞれに現状を当てはめて整理したとします。一生懸命、強みや弱みなどを考えてフレームワークの箱に書き出していきます。
※ 3C:自社 - Company, 顧客 - Customer, 競合 - Competitor
SWOT強み - Strengths, 弱み - Weaknesses, 機会 - Opportunities, 脅威 - Threats

 

問題はここから。すべての箱に何かしらの情報を記載できました。でもフレームワーク」しか知らない人はそこで止まってしまいます。箱を埋めて整理して満足。または箱を埋めたものの次に何をすればいいのかわからずストップ。あるいはまとめた結果をパワーポイントにまとめて終了。中には、結果を一通り眺めた後に、そのフレームワークに戻って各要素の情報付与に精を出し始める人もいるでしょう。

 

フレームワークを埋めることではなく、そこから示唆を導き出すことこそが価値である

大事なことは、フレームワークを埋めることではありません。

フレームワークはあくまで便利な箱。どう便利かと言うと、情報を整理する際に、整理する作業を効率的に行うことができる。先人の用意したフレームワークを活用すれば、どういう切り口で整理すればいいのかを考える手間を省けますし、また有名なフレームワークであれば、それに則るだけで漏れなくダブりなく情報の整理ができることを保証してくれます。

でも結局それだけで、そこから意味のある示唆を導き出すには、自分で考えなければいけませんフレームワークを埋めただけでは、コンサル流に言うと「So What?(だから何?)」な訳です。

 

別の見方をすると、フレームワークとは、考える時間を増やすために情報整理という「作業」時間を短縮するための道具、と言い換えることができます。

その理解なしにフレームワークだけを振り回しても、時間の無駄に終わるだけ。資料がそれっぽく見栄えよくなったり、中にはフレームワークを踏まえた結論めいたことを言及する人がいたとしても、それはもともと明らかなことを繰り返す「What's New」の無いケースが大半ではないでしょうか。

 

もっとも、世の中のフレームワークを紹介している書籍やネット記事が、たんにフレームワーク(箱)の種類の紹介だけで終わっている場合が多いことが、このような自体を招いているのかもしれませんフレームワークを紹介するだけで稼げるわけですから。罪なものです。

 

目的意識/課題意識をもってフレームワークを使おう!

ではフレームワークを「活用」 するにはどうすればいいのか。

ポイントは目的意識や課題意識を持ってフレームワークを使うことです。

フレームワークに情報を埋めるのは目的ではなく手段。そのことを肝に銘じ、フレームワークはちゃちゃっと埋めてしまい、そしたら腕を組んで自分のまとめた結果をしばらく眺め、どうしてそうなっているのか、そこから何が言えるのか、まとめた結果を踏まえて自分は何をすればいいのかなどを考えるのです。

 

繰り返しになりますが、大事なことはフレームワークを利用した後に何を考え、何を導き出すかです。

 

その際、あらかじめ仮説があればさらに良しですね。

自分が立てた仮説を検証するために、フレームワークを埋めて、その結果を検証するという流れです。

なおコンサルタントの働き方はまさにそれで、仮説がはじめにあり、それを検証するために情報を集め、フレームワークなどを活用しながれその仮説の検証をしていきます。

そのようないわゆる「仮説思考」については、ベタですが元BCG現早稲田教授の内田先生の書籍が一番わかりやすいと思います。 

仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法

仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法

 

 

与えられるだけでなく、自分で作り出す楽しみもある

最後にもう一言。

フレームワークは何もすでにあるものを利用するだけではなく、自分で作り出すこともできます

僕も過去にプロジェクト内で、クライアント企業が自分たちのとある能力を自己診断し、その結果を踏まえ次アクションを検討できる方法論を作ったこともあります。世の中で普遍的に使われるフレームワーク、とはいかなくとも、何かしら自分の爪痕を残せるのは嬉しいものです。

 

数日前に書いた記事ですが、また他人のふんどしで相撲を取るようで恐縮ではありますが、スローガンさんという会社の方がベンチャー転職時に気をつけるべきことを10項目まとめてコラムにしていまして、僕はそれを「自分自身の課題解決ツール」として再構築してみました。これもいわばオリジナルなフレームワークと言えると思います。

 

オリジナルのコラム

career.goodfind.jp

 

作成したフレームワーク

lightingup.hatenablog.com

 

このように、世の中にすでにある先人の知恵をより使いやすくするのも、フレームワーク作りの1つの方法です。

やってみるとなかなか楽しいものですよ。

みなさんも機会があれば、ぜひ My フレームワークを構築してみてはいかがでしょうか。

 

ではでは。